サンプル問題一覧

ビジネス数学検定では、さまざまなビジネスシーンで求められる「把握力」「分析力」「選択力」「予測力」「表現力」に関連する問題が出題されます。各階級のサンプル問題を用意いたしましたので、学習する上での参考や受検階級を選ぶ際の目安としてお使いください。

ビジネス数学検定3級サンプル問題

ビジネス数学検定の解答方法は選択式です。答えを1つ選んでクリックしてください。解答と解説が表示されます。

3級把握力

下の棒グラフはA社の製品別の売上高を示しています。
A社の全売上高に対して上位3製品の売上高が占める割合は何%ですか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

  • ① 15.9%
  • ② 59.5%
  • ③ 77.4%
  • ④ 81.2%
  • ⑤ 86.3%

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A社のそれぞれの製品が売上にどの程度貢献しているのかを棒グラフから把握する問題です。
グラフの数値から、A社の全売上高は、

5,425+1,627+814+543+271+434=9,114(百万円)

上位3製品の売上高は

5,425+1,627+814=7,866(百万円)

よって、全売上高に対する上位3製品の売上高の占める割合は

7,866÷9,114×100=86.30…≒86.3%

となります。

3級分析力

小売店Eでは、原価12,000円の商品Aに原価に対して40%の金額を上乗せして定価をつけましたが、この定価では売れなかったため、定価の2割引きの販売価格で売りました。このとき、商品Aの販売価格はいくらですか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

  • ① 9,600円
  • ② 13,440円
  • ③ 14,400円
  • ④ 15,840円
  • ⑤ 16,800円

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販売価格・利益の計算問題です。
「小売店Eでは、原価12,000円の商品Aに40%の利益を見込んで定価をつけた」のだから、この商品の定価は

12,000+12,000×0.40=16,800

ところが、定価では売れなかったため、「定価の2割引の販売価格で売った」のだから、商品Aの販売価格は

16,800-16,800×0.2=13,440

となるので、正解は②。
割合を考えるときには、「何に対する割合なのか」に常に注意しましょう。

3級選択力

調達担当のP氏は来春から大量導入するパソコンのメーカーの選定作業に入りました。どのメーカーも機能や性能は同じスペックの製品があるので、安く早く、安心して使い続けられ、かつ、導入実績のあるメーカーから調達したいと考えています。
メーカー各社を評価したところ、下の表のような結果になりました。

「価格」を5、「納期」を4、「保証力」を4、「実績」を3で重み付けをして総合評価をしたとき、発注先に選ばれるメーカーはどこですか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

  • ① A社
  • ② B社
  • ③ C社
  • ④ D社
  • ⑤ E社

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スコアシートの総合評価を行う問題です。
評価項目に対して重み付けをして総合評価を行うことは、いくつかの事象から最適なものを選ぶ際によく用いられる手法です。今回は「価格」を5、「納期」を4、「保証力」を4、「実績」を3で重み付けを行うので、候補に挙がったメーカーの総合評価は以下のとおりです。

A社:3×5+4×4+4×4+2×3=53点
B社:1×5+2×4+5×4+1×3=36点
C社:4×5+3×4+1×4+3×3=45点
D社:5×5+1×4+3×4+5×3=56点
E社:2×5+5×4+2×4+4×3=50点

D社の56点が最高得点なので、正解は④。

3級予測力

Z市にあるP社に勤めるA氏は,Y市にあるQ社へ出張することになりました。P社から最寄りのZ駅までは徒歩で12分かかり,Z駅からY駅へ行く電車は毎時10分,30分,50分に発車しています。Z駅からY駅までは電車で1時間10分,Y駅からQ社までは徒歩で5分かかります。P社を13時に出発したとき、Q社に到着する時刻は何時何分ですか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

  • ① 14時25分
  • ② 14時27分
  • ③ 14時45分
  • ④ 14時47分
  • ⑤ 15時 5分

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交通機関を使って移動したときの到着時刻を予測する問題です
A氏がP社を出発する時刻が13時、Z駅まで徒歩で12分かかるので、Z駅に到着する時刻は13時12分。Y駅へ行く電車は毎時10分、30分、50分にZ駅を発車するので、A氏が乗るのはZ駅を13時30分に発車する電車となります。
Z駅からY駅まで電車で1時間10分かかるので、Y駅に到着する時刻は14時40分、Y駅からQ社まで徒歩で5分かかるので、Q社の到着時刻は14時45分となるので、正解は③。

3級表現力

下の表は、国内の二輪車・バイクの売上高シェアを表しています。
二輪車・バイクの売上高シェアを正しく表している円グラフはどれですか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

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データを正しく円グラフで表現する問題です。
円グラフは全体を100%とし、おうぎ形の中心角で全体に対する割合を表します。表から、A社の売上高シェアは46.8%なので、A社の売上高シェアを表すグラフは中心角が半円(50%相当)よりもやや小さいおうぎ形となります。また、C社の売上高は10.8%、D社の売上高は8.9%なので、この2社の円グラフはほぼ同じ形のおうぎ形になります。
以上より、正解は④。

ビジネス数学検定2級サンプル問題

ビジネス数学検定の解答方法は選択式です。答えを1つ選んでクリックしてください。

2級把握力

ある金融サービス業の顧客における取引傾向を調べたところ、次のような結果が得られました。

・株式の信用取引を行っている顧客は、株式の現物取引と外国為替取引を行っている。
・株式の現物取引を行っている顧客は、投資信託も購入している。
・国債を購入している顧客は、投資信託も購入している。

この結果からわかることとして、正しいものはどれですか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

  • ① 株式の信用取引を行っている顧客は国債も購入している。
  • ② 外国為替取引を行っている顧客は、株式の現物取引も行っている。
  • ③ 国債を購入している顧客は外国為替取引も行っている。
  • ④ 投資信託を購入している顧客は、株式の現物取引も行っている。
  • ⑤ 株式の信用取引を行っている顧客は、投資信託を購入している。

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事象の関係性を論理的に(ロジカルに)把握できるかどうかを測る問題です。
「顧客の要望を正しく理解すること」、「取引先に要求を正しく伝えること」は、ビジネスの基本スキルと言えるでしょう。事象の関係性を正しく把握できないと、どんなに計算力が高くても正しい答えを導き出せません。

この図では、矢印の始点から終点までの関係性は「真」であることを示しています。矢印を逆にたどる関係性は必ずしも「真」とはいえないことに注意しましょう。図から信用取引を行っている顧客は株式の現物取引を行っており、株式の現物取引を行っている顧客は投資信託を購入していることがわかるので、「信用取引を行っている顧客は投資信託を購入している」と言えます。
よって、正解は⑤。

2級分析力

テストマーケティングをするために、ある人気のTシャツを仕入れて1か月間だけ移動店舗で販売することにしました。Tシャツは1枚600円で仕入れて、2,400円で販売します。移動店舗の運営費用は諸費用込みで1か月あたり30万円です。Tシャツは10枚単位で仕入れるとします。
このとき、テストマーケティングで黒字を確保するには、1か月あたり最低何枚のTシャツを販売する必要がありますか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

  • ① 160枚
  • ② 166枚
  • ③ 167枚
  • ④ 168枚
  • ⑤ 170枚

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売上と利益のシミュレーションを行う問題です。
この問題では「10枚ずつ仕入れる」という条件を考慮した上で黒字を確保するシミュレーションを行う必要があります。
Tシャツを1枚600円で仕入れて2,400円で販売するのだから、Tシャツを1枚売るごとに得られる利益は1,800円。利益が移動店舗の運営費用(30万円)を上回れば「黒字」となるので、

300,000÷1,800=166.66…

上の式より、黒字にするためには最低167枚販売する必要があります。
ただし、今回は「Tシャツを10枚ずつ仕入れる」という条件があるので、167枚のTシャツを販売するには170枚のTシャツを仕入れる必要があるので、仕入れにかかる費用は

600×170=102,000円

運営費用は30万円なので、1か月あたりにかかる費用は402,000円。この金額を売り上げが上回れば「黒字」になるので、

402,000÷2,400=167.5

となるので、黒字にするために必要なTシャツの販売数は168枚となるので、正解は④。

2級選択力

ある商社では5つのプロジェクトS、T、U、V、Wを行うのか、やめるのかを検討しています。各プロジェクトの成功時の利益と失敗時の損失、各プロジェクトが成功する確率を以下の表に示します。

経営陣からは、「期待利得(利益の期待値-損失の期待値)が850万円以上となるプロジェクトのみ進行させてもよい」という指示が出されました。5つのプロジェクトのうち進行させることができるプロジェクトはいくつありますか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

  • ① 1つ
  • ② 2つ
  • ③ 3つ
  • ④ 4つ
  • ⑤ 5つ

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確率と期待値にもとづいた選択を行う問題です。
期待値とは確率に確率変数をかけた値の総和です。この問題の場合、確率変数は「成功時の利益」と「失敗時の損失」であり、期待値を計算することでプロジェクトがいくらの利益を生むのかの見込み金額を求めることができます。
それぞれのプロジェクトの期待値は次の通りです。

プロジェクトS:3,000万円×0.5-1,500万円×0.5=750万円
プロジェクトT:2,000万円×0.6-1,000万円×0.4=800万円
プロジェクトU:1,000万円×0.7-200万円×0.3=640万円
プロジェクトV:1,600万円×0.8-1,000万円×0.2=1,080万円
プロジェクトW: 800万円×0.9-300万円×0.1=690万円

以上より、期待利益が850万円以上となるプロジェクトはプロジェクトVだけなので、正解は①。

2級予測力

N動物園とH動物園の2010年の入園者数と過去5年間の入園者数の平均成長率は以下の表のとおりです。

今後、どちらの動物園の入園者数も平均成長率で成長を続けるとするならば、N動物園の入園者数がH動物園の入園者数を上回るのは何年と予測されますか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

  • ① 2013年
  • ② 2014年
  • ③ 2015年
  • ④ 2016年
  • ⑤ 2017年

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平均成長率を用いて将来の入園者数を予測する問題です
N動物園の2010年の入園者数は118万人、平均成長率は2.5%なので、n年後の入園者数は

118万×(1+0.025)n

と、表されます。
同様にH動物園の2010年の入園者数は125万人、平均成長率は0.9%なので、n年後の入園者数は

125万×(1+0.009)n

と、表されます。
以上より、2011年以降の両動物園の入園者数は下の表のように推移すると予測されます。

よって、2014年にN動物園とH動物園の入園者数は逆転すると予測されるので、正解は②。

2級表現力

食品メーカーの研究部門に勤務するJ氏は、自社の製品Gについて三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)の成分分析をしたところ、1個あたりのエネルギーは341kcal、タンパク質は14.8g、脂質は16.3g、炭水化物は33.7gでした。
三大栄養素の適切な摂取バランスは、総エネルギーに対して、タンパク質12.5%、脂質25.0%、炭水化物62.5%だと言われており、PFCチャートと呼ばれる図で表すと下の図のようになります。

三大栄養素それぞれの持つエネルギーは、タンパク質1gあたり4kcal、脂質1gあたり9kcal、炭水化物1gあたり4kcalとすると、製品GのPFCチャートはどのように表されますか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

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評価方法を理解した上で、適切な表現を行う問題です。
PFCチャートは「総エネルギーに対する、三大栄養素の占める割合」を三角形のグラフで表したものなので、製品Gに含まれる三大栄養素のそれぞれが持つエネルギーを計算すると、

タンパク質:14.8×4=59.2 kcal
脂質:16.3×9=146.7 kcal
炭水化物:33.7×4=134.8 kcal

製品Gに含まれるエネルギーの総量は341kcalなので、三大栄養素それぞれが持つエネルギーが製品Gのエネルギーに占める割合(%)は、

タンパク質:59.2÷341×100≒17.4%
脂質:146.7÷341×100≒43.0%
炭水化物:134.8÷341×100≒39.5%

適切なバランスはタンパク質12.5%、脂質25.0%、炭水化物62.5%なので、製品Gに含まれる三大栄養素はタンパク質と脂肪が適切な値よりも高く、炭水化物が適切な値よりも低いことがわかります。よって、グラフはたんぱく質と脂質が赤丸よりも外側の点、炭水化物は赤丸より内側の点となるので、正解は②。

ビジネス数学検定1級サンプル問題

ビジネス数学検定の解答方法は選択式です。答えを1つ選んでクリックしてください。

1級把握力

小売店の店長であるG氏は気温と商品Aの販売個数の関係を調査しました。調査は毎月5日、15日、25日に行い、その日の気温と商品Aの売上高を下の表にまとめました。

気温と商品Aの間に見られる関係として正しいものはどれですか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

  • ① 相関係数は0.35であり、弱い正の相関が見られる。
  • ② 相関係数は0.55であり、ある程度の正の相関が見られる。
  • ③ 相関係数は0.75であり、強い正の相関が見られる。
  • ④ 相関係数は0.85であり、強い正の相関が見られる。
  • ⑤ 相関係数は0.95であり、非常に強い正の相関が見られる。

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2組のデータの相関関係を把握する問題です。
2組のデータ列($x$ , $y$)={($x$$i$ , $y$$i$)}($i$=1,2,3…)の相関関係の強さを表す相関係数は下の式で求めることができます。

気温と販売個数のデータをあてはめて計算すると、相関係数は0.947と求まるので、正解は⑤。実際の計算は表計算ソフトなどを用いて行います。

1級分析力

割引率を5%としたとき、1年後から5年後に受け取ることができる100万円の現在価値を正しく表しているのはどれですか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

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未来のお金の現在価値を計算する問題です。
お金は運用すれば利子を生んで自己増殖します。また、インフレなどの社会的要因によってもその価値が変動するので、今得られる100万円と未来に得られる100万円は同じ価値であるとは限りません。よって、未来のお金の価値を考えるときには、現在のお金の価値に換算して考える必要があります。
割引率とは未来のお金の価値を現在のお金の価値に換算するための利回りです。たとえば、現在の100万円を5%の利回りで運用すれば1年後には105万円、2年後には110.25万円になるので、

現在の100万円=1年後の105万円=2年後の110.25万円

という関係が成り立ちます。よって、現在の100万円の$n$年後の価値を考えると、

現在の100万円 = $n$年後の100×(1+0.05)$n$万円

となります。
この式の両辺を(1+0.05)$n$で割ると、

現在の $\displaystyle \frac{100}{(1+0.05)^n}$ = $n$年後の100万円

となるので、1年後~5年後の100万円を現在の価値に換算すると、下の表のようになります。

以上より、正解は③。

1級選択力

ある商社では、プロジェクトAとプロジェクトBのどちらに投資するのかの選択を迫られています。下図はデシジョンツリーです。( )内の金額は投資額、分岐の末端の数字は得られる利益を表しています。

プロジェクトAへの投資Aと、プロジェクトBへの投資Bのどちらが最適ですか。また、そのときの期待利得(億円)はいくらですか。

答えを1つ選んでクリックしてください。

  • ① 投資A 期待利得 70億円
  • ② 投資A 期待利得 75.6億円
  • ③ 投資A 期待利得 82.6億円
  • ④ 投資B 期待利得 70億円
  • ⑤ 投資B 期待利得 100億円

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デシジョンツリーを用いた意思決定の問題です。
デシジョンツリーを用いて意思決定を行うときは、ツリーの末端から根元に向かって計算や選択を行います。問題のデシジョンツリーにおいて、期待値や選択肢の判断を赤字で書き込んだものが下の図です。

以上より、投資Aの投資効果は75.6億円、投資Bの投資効果は70億円であることがわかるので、正解は②。
デシジョンツリーは複雑な意思決定を行うときに有効な手段ですが、確率や最終利益は市場環境に大きく左右されるため正確に見積もることは難しいと考えられています。

1級予測力

あるメーカーが3年前に発売した製品Zの四半期別の売上高は下表のとおりでした。市場における製品Zの評価を調査したところ、製品Zの売上高は、今後2年間は同じペースでの伸びが期待できることがわかりました。

2008年~2010年までの12四半期分のデータをもとに、回帰分析(最小二乗法)を用いてデータを一次関数の近似式で表し、製品Zの2011年の売上高を予測してください。

答えを1つ選んでクリックしてください。

  • ① 2607万円
  • ② 2615万円
  • ③ 2633万円
  • ④ 2641万円
  • ⑤ 2655万円

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過去の売上データから最小二乗法によって将来の売上高の変化を予測する問題です。
一次関数の近似式は $y = ax + b$ の形で表され、2008年の第1四半期を$x_1$, 第2四半期を$x_2$, 第3四半期を$x_3$ …とし、それぞれの四半期における製品Zの売上高を$y_1$, $y_2$, $y_3$ …とすると、近似式の$a, b$ の値はそれぞれ、

と表されます。
この関係式から$a, b$ の値を表計算ソフトを使って求めると近似式は

$y$ = 30.5385$x$ + 209

と求まるので、この近似式を用いて2011年の第1四半期($x$=13)から第4四半期($x$=16)の予想売上高を計算すると、2011年の売上高は2,607万円と求まります。よって、正解は①。

1級表現力

下の表はある小売店Sの過去2年間の月間売上高を表しています。

小売店Sの売上高を箱ひげ図を用いて表してください。

答えを1つ選んでクリックしてください。

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データの分布を箱ひげ図で表現する問題です。
箱ひげ図は長方形の箱とその両端から伸びるひげを用いて、データの分布やばらつきをわかりやすく表すための統計学的グラフです。

表のデータから、最小値、第1四分点、中央値、第3四分点、最大値を求めると

最小値:485 第1四分点:500 中央値:513 第3四分点:540 最大値:580

となるので、正解は④。